引越し現場の裏話

はじめての引っ越しアルバイト|現場は大型トラック満載の階段5階

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当時20代後半ではあったものの、自宅で腹筋、背筋、腕立て伏せなどのトレーニングも欠かさなかった私としては、引っ越しのアルバイトなど楽勝だとたかをくくっていました。

自宅からバイクで20分ほどのところにある引越センターの求人を、コンビニのアルバイトニュースで見つけて応募したのは3月の終わり。

まさか、それが引っ越し繁忙期真っただ中の地獄のアルバイトになるとは知らずに・・・。

このページでは、サイト管理人がはじめて引っ越しのアルバイトをしたときの実体験をご紹介します。

面接もなくいきなり現場へ

引越センターにアルバイト応募の電話をかけると、『明日から来れるよね?』という簡素なやりとりで即採用されました。

動きやすい運動靴と、持っていれば軍手、作業着は貸与するから普段着で来てくれればと言われ、電話の翌日が初出勤となりました。

『これに着替えて』と出されたのがボロボロの青いツナギ。

洗濯はされているので綺麗なのですが、新人にもかかわらず使い古されたツナギから『ベテランに見える』効果がある模様。

私より少し年下だろうか、その日行動を共にする作業リーダーを紹介され、女性作業員二人と現場に向かうことになりました。

エレベーターがあるはずの現場

あると思っていたエレベーターがなかった現場で肩を落とす人です。

その日の現場は私の自宅からもほど近い新築マンション6階への、地方からの引っ越し。

6階以上の建物にはエレベーター設置が義務付けられているので、営業所の所長もほかの作業員もエレベーターがある現場だと思っていました。

なので、重い家具類の設置に男性作業員2名、台車を使って荷物を運ぶのに女性作業員2名という人員構成はいたって無理のない作業になるはずです。

私が初出勤なので、『時間をかけていいから1日かけて終わらせてこい』という配車であったようです。

しかし、その現場には1階部分がなく、実際には5階建てでエレベーターはありませんでした。

作業リーダーがすぐさま営業所に連絡するも、繁忙期であるためすぐには応援も来ないことがわかりました。

荷物の量は10トントラック満載

荷物が満載の幌トラックのイラストです。

現場である横浜の新築マンションのわきに停まっていたのは、満載した荷物に幌をかけた九州ナンバーの大型10トントラック。

地方から引越し荷物を積んでくるトラックには、傭車といって荷物を運ぶだけという契約が多く、引越し作業は行わないのが一般的です。

つまり、10トントラック満載の荷物は男性2名、女性2名の計4名の作業員で階段を使って5階まで運ぶことになります。

案の定、九州からやってきた大型トラックの運転手は『次の仕事がある』と、荷物をすべてマンションの下に降ろして帰ってしまいました。

普通ならエレベーターがあっても、4トンクラスの引っ越しで3名~4名の作業員が必要ですから、明らかに作業員の数が足りません。

引っ越し作業員の構成を図で表しています。

しかも、当時の私はまったくの素人ですから、ほとんど使い物にならなかったでしょう。

地獄の引っ越し作業

水が飲みたくて仕方がないほど喉が乾ききった人です。

たいていの現場には近くにジュースの自動販売機があったりするものですが、その現場には販売機もコンビニも近くには見当たらず、なんと新築のためか階段下の水道も使えなかったのです。

人生でこの時ほど『水が飲みたい』と思ったことはありません。

朝一番から作業を始めて、何回かは休憩をした記憶がありますが、夜の8時前後にすべての荷物を運び終えるまで一度も水分補給ができませんでした。

当然、食事をとることもできず、運んでも運んでも一向に減らない荷物と格闘しました。

何度も途中で逃げ出そうと思ったぐらいです。

唇は脱水症状でガサガサに、目はうつろに、立っているのがやっとだったことを覚えています。

最後のひとつが運べない

エアコンの室外機を運ぶのに難儀している人です。

4人の作業員で1日がかりで臨んだ引越しも、あとひとつの荷物を運べば終わるというところにようやくたどり着きました。

最後の荷物というのがエアコンの室外機。

このエアコンの室外機が実は曲者だって知ってますか?

エアコンの室外機には重さが40キロを超えるようなものもあり、重心が偏っているため一人で運ぶのに苦労することが多いのです。

しかし、この日の作業リーダー、ひとりで5階まで運んで来いというのです。

『これを運べば終わる』という安堵感からか、逆に体中の力が抜けてしまい、階段を一段上っては休み、階段を一段上っては休みという程度でしか動けなくなってしまいました。

最後には見かねた作業リーダーが代わりに運んでくれましたが、ゴール直前のマラソン選手の気持ちがよくわかりました。

気持ちはあっても疲労で体が動かなくなってしまうんですね。

引っ越しも悪くない

引っ越しという共同作業に充実感を抱いている人たちです。

アルバイト初日にこんなつらい思いをすれば、普通はやめてしまうかもしれません。

翌日起きた時に、手の指が硬直して開くことができないほどでした。

しかし、「今日の引越しは特別だ。」という営業所の所長や他の作業員の言葉に翻弄されながら、気が付くと新人を教育する側になっていました。

引越しというのは仲間との共同作業です。

『みんなでひとつのことをやり遂げる』という充実感がたまらなく気持ちのいいものです。

体力的、精神的にとてもきつい仕事ですが、とてもやりがいのある仕事です。

体力を持て余している若い方にぜひ挑戦していただきたいと願っています。

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