引越し現場の裏話

アルバイトや素人引越し作業員が急増する引越し繁忙期の現実

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社員とアルバイトの作業員

4月は会社の人事異動や就職、学校への入学時期でもあります。

それに合わせて引越しをする方が通年でもっとも多い時期であることから、毎年3月半ばぐらいから4月の初旬にかけては引越しの繁忙期とも呼ばれます。

最近では運送業界の人手不足から、3~4月に引越しをしたくてもできないという引越し難民の話題がニュースに取り上げられることもあります。

それだけ3~4月の引越しというのは需要があるということがわかります。

繁忙期・・・。引越し作業員にとっては、地獄の毎日という代名詞です。

このページでは私の働く引越し会社の繁忙期の現実をお話します。

引越し繁忙期の現実

私の働く引越し会社は業界大手ではありませんが、首都圏と関西に複数の支社があり全国への引越しを行う、業界では中堅といったところでしょうか。

3~4月にかけては、大手と変わらず忙しく作業員が集金してきた札束の厚さで、会社の金庫のふたが閉まらないこともあるほどです。

この時期は会社に帰ってくるのが日付が変わってからという日がほぼ毎日続くため、家に帰る時間があるなら少しでも寝たいと、会社に寝泊りする作業員もいます。

朝9時スタートの現場に向かうには、やはり朝7時前後には出社する必要があり、通勤の時間を考えると家に帰るのが億劫になるものです。

作業の帰りにコンビニ弁当か何かを買ってきて、事務所で同僚と少し飲んでバタンキューという作業員も少なくありません。

引越し繁忙期には、疲労が抜けないまま翌日の作業に向かわなければならないという、作業員にとってはつらい毎日が続きます。

アルバイトは即戦力

多くの引越し業者にとって、この引越し繁忙期は一年に一度の書き入れ時でもあります。現場の作業員の悲鳴をよそに、クレーム覚悟で1件でも多くと会社はなりふり構わず引越しを受注するものです。

なので、多くの引越し業者ではこの時期慢性的な人手不足に陥ることになるわけです。昨今話題に取り上げられることの多い、引越し難民が生まれる背景でもあります。

アルバイトを一切使わないと謳う引越し業者もありますが、現実的にそれはかなり厳しいのではないかと思います。

私の働く会社の場合、面接当日即採用、即現場行きとなることも珍しくありません。

この時期のアルバイト情報誌を見れば、引越しのアルバイト募集広告ばかりが目につきます。仕事はきついですが日払い可で、日給1万円以上稼ぐことができるアルバイトはなかなかないでしょう。

引越しのアルバイトは、学生の短期高収入アルバイトとしても人気があります。

にわか作業員

引越し業者にアルバイトとして入る作業員なら、2週間もすればそこそこの作業ができるようになります。

困るのは自社のアルバイトだけでは作業員の手配がつかず、派遣の作業員を使う現場です。

派遣社員というのは色々な場所へ出向いて対面慣れしていることもあるのか、とにかく挨拶や返事はすばらしいです。ですが、引越し作業は初めてという者も多いのが悩みの種なんです。

私が作業員のときに、派遣の作業員ふたりを連れて新築二階建て一軒家の引越し作業をしたことがあります。

横浜の営業所から山梨県の現場に向かう途中の駅で、派遣の作業員ふたりを拾って現場へ向かうことになりました。幸いふたりとも引越し作業の経験があるといいます。

しかし、会社の作業着を着ているのは私だけで、派遣のふたりはトレーナーにジーパンというまったくの普段着です。ふたりとも年齢は若く、学生ではないように見えますがフリーターといった感じでしょうか。

この状況で「○○引越センターです!」と、お客さんに言っていいものかどうか悩みながら現場に到着となりました。

とりあえず、このふたりが作業着を着ていない件は、お客さんに指摘されるまでノリで押し切ることにしました。二階建て一軒家の現場は2トン車1台のピストン輸送が必要な物量でした。

いざ作業を始めてみるとやはりふたりは素人、きっとお客さんもそう思っているに違いありません。が、とにかくこのメンバーでやるしかありません。

会社も作業員は私ひとりと素人ふたりという状況を知っていて、何時間かかってもいいからこの一件だけ、今日中になんとか終わらせて来いという指示がありました。

開き直って派遣のふたりに家具の持ち方など教えながら、ゆっくりでも確実に作業を進めるしかありません。

運がいいのでしょうか、吊り作業も重たい冷蔵庫もなく、新築家屋を傷つけるようなこともなく、この引越しは無事に終わりました。

作業着を着ていない素人ふたりについても、お客さんに指摘されることはなく、むしろ3人分のご祝儀をいただくのが心苦しいほどでした。

引越し繁忙期のまとめ

もしも、私が自分の家の引越しを業者に依頼するとしたら、経験豊富なベテラン作業員にお願いしたいと思います。

そのようなベテラン作業員に当たる確率が高いのは、引越し業者が暇な時期です。忙しい時ほど短期のアルバイトの数が増えるためです。

また作業員が連日の疲労が残ったまま作業にあたる繁忙期の引越しでは、荷物を落としたり破損したりといった作業ミスも増えるものです。

私の引越し作業員としての経験から、もしもスケジュールが許すのであれば、繁忙期での引越しは避けたほうが無難であることは間違いないと言えます。

3~4月の繁忙期をはずすだけで、引越し難民にならずに済むうえ費用も格段に安くなりますよ。

以上、『アルバイトや素人引越し作業員が急増する引越し繁忙期の現実』を最後までお読みいただきありがとうございました。

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