引越しをするには、いわゆる引越し屋さんと呼ばれる会社に依頼することがほとんどだと思います。
しかし、そもそも引越し屋さんとはどういった業種なのかご存知でしょうか。
実は引越し屋さんを語るモグリの引越し屋さんもあったりするんです。
引越し屋さんは運送屋さんじゃなきゃダメ
引越し業者というのは引越し業者である以前に、国土交通省に認可された運送業者でなければなりません。
運送業者でなければ引越しをはじめ、有償で貨物輸送を行うことができないのです。
運送業者の中で引越しを専門に行う運送業者が引越し業者、または引越し専門業者などと呼ばれています。
運送業者にも種類があり、一般貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業、貨物利用運送事業の3つが国土交通省により定められています。
一般貨物自動車運送事業
日通、クロネコヤマト、佐川急便など世間一般でいうところの「運送屋さん」のことです。
引越し業者のほとんどが、この一般貨物自動車運送事業者です。
また引越し専門業者でなくても業務の一環として引越しを扱うところがほとんどです。
一般貨物自動車運送事業者となるには最低5台の車両を保有することなどいくつか条件があり、個人での経営はありません。
この事業者の使用する車両には緑地に白のナンバープレートがついています。
ただし、引越し繁忙期の3/15~4/15のうち15日以内に限っては、レンタカー(白ナンバー)を利用しての引越し業務が認められています。
貨物軽自動車運送事業
軽自動車を使用して比較的小さな荷物を運ぶ運送業者のことです。
軽自動車1台で開業できるため、個人経営の事業者が多いのが特徴です。
よく知られたところでは「赤帽」などがこれにあたります。
最近では引越しを意識したつくりの特装車も多くなりました。
ファミリー用冷蔵庫や大型家具類の積載ができる車両もあります。
この事業者の使用する車両には黒地に黄のナンバープレートがついています。
ひとり暮らしなど荷物の少ない引越しでは、貨物軽自動車運送事業者を利用するメリットは大きく、軽自動車1台に荷物を積み切れるのであれば、引越し費用を大きく抑えることができるでしょう。
赤帽など軽貨物運送業者で引越しを専門にしている業者は少ないですが、一人暮らしの引越しなど、規模の小さい引越しであれば引越し費用を抑えることができます。
しかし軽貨物運送業者の多くは運転手がひとりでやってきて引越し作業にあたるため、運転手がひとりで運搬できない家具などの運搬には、荷主の手伝いを必須条件にしているところがほとんどです。
また梱包資材等は引越し専用のものを持たない業者も多く、大手引越し業者のような梱包は望めないことがほとんどです。
荷物の積載量も350kgと限られているのであまり多くは積めませんが、大物家具なども積むことができる車両もあり、利用の仕方によってはリーズナブルな引越しができるでしょう。
貨物利用運送事業
貨物利用運送事業者は自己の運送手段を保有せず、荷主と実運送事業者を仲介する役割を果たします。
荷主と直接契約を結び、運送責任を負いますが、トラブルが発生した場合に貨物利用運送事業者と実運送事業者と荷主の三者でのやりとりが必要になるため、トラブルの解決には時間がかかるケースがあります。
貨物利用運送事業者は輸送手段に自動車のほか船や鉄道、航空機など多くのネットワークを持つため、離島や海外への引越しにも強いという利点があります。
引越し専門業者
引越し専門業者とは事業として主に引越しを行う運送業者のことです。
車両、設備、資材、引越し作業員の技術や教育等が充実しており、平均して安定した引越しサービスが期待できる引越し業者と言えます。
梱包、開梱包といった荷造りや荷解きなどのオプションサービスは、引越し専門業者ならではのサービスです。
しかし業務の一環として兼業で引越し業務を行う運送業者と比較すると、引越し費用は割高になる傾向があります。
兼業引越し業者
兼業引越し業者とは一般の貨物輸送が主業務で、引越しの依頼があった場合にのみ引越し業務を行う運送業者のことです。
引越し作業に最低限必要な資材等は用意されている場合がほとんどですが、引越しに不慣れな運転手、作業員にあたるというケースもあります。
自社の社員が通常業務をやりくりして作業にあたる場合がほとんどなので、専門の人材を置かない分引越し費用は割安になる傾向があります。
また兼業引越し業者の中には全国に路線便を持つ大手運送業者もあり、このような運送業者の多くには引越しの専門部署があります。
引越し専門業者と変わらないサービス、自社の路線便を利用した長距離の引越し料金の安さも特徴です。
大手引越し業者
テレビCMなどで目にする機会も多い、全国に展開する知名度の高い引越し業者のことです。
誰でも知っているという安心感から利用する方も多いようです。
引越しサービス全般にわたって、いわゆるあたりはずれの波が少ないのが特徴です。
しかし大手、もしくは引越し専業であるがゆえにそれなりの広告宣伝費、設備投資、引越し作業員の教育などに経費がかかっている分、引越し費用は全体的に割高になる傾向があります。
地域密着型引越し業者
引越し業者の中で最も業者数が多く、また消費者からの需要も高いため、業者間の引越し費用の差が激しいのが特徴です。
多くの地域密着型引越し業者は一件あたりの引越し費用を低く抑え、かわりに数をこなすことで収益を上げています。
この地域密着型引越し業者には、こなす引越し件数の多さから短期間で経験豊富な引越し作業員が育つという環境があります。
また引越し費用がリーズナブルなことから、現在最も多く利用されているタイプの引越し業者です。
便利屋は引越し業者ではない
引越し業者と間違われやすいものに「便利屋」というものがあります。
「引越しのお手伝い」といったチラシなど見たことはないでしょうか。
便利屋は運送業者ではないので引越し荷物を輸送することで運賃を収受することはできません。
引越し繁忙期や年末になると現れることの多いこういったモグリの引越し業者ですが、違法であるうえに引越しの専門家ではないので、安いからと安易に利用することは避けなければなりません。
貨物軽自動車運送事業者が便利屋を兼ねている例はありますが、便利屋はあくまで引越しのお手伝い、または引越し業者を紹介することしかできません。
引越し料金を収受することができるのは運送業者だけだと覚えておきましょう。
以上、『引越し業者の種類と特徴|引越し専業や兼業業者など』を最後までお読みいただきありがとうございました。
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