うちはアルバイトは使いません。
うちは全員正社員です。
引越し業者のホームページでよく見かける宣伝文です。
実際のところ確認のしようがないうえに、引越し作業の良し悪しには関係のない話といえるのではないでしょうか。
引越し業者のアルバイトと正社員の違いについて、私の作業員経験をもとにお話しさせていただきます。
アルバイトと正社員
私が引越し作業員として働いてきた経験上、アルバイトや正社員といった立場の違いは作業に直接結びつくことはありませんでした。
引越し会社には正社員よりも仕事ができるアルバイトがいたり、大丈夫?というような正社員もいたりします。
引越し作業を行うにあたっては、経験の豊富さや責任感、人と円滑なコミュニケーションが取れるかなどのほうが、アルバイトか正社員かといったことよりも重要です。
引越し作業員に必要なもの
引越しの現場ではお客さんとのコミュニケーションが取れることが、何より作業員には求められます。
また作業を円滑に進めるためには、ほかの作業員ともコミュニケーションが取れる人間である必要があります。
仕事に対しての責任感というのは、どのような業種であってもアルバイト、正社員という立場に関わらずひとりの人間としての中身の問題ではないでしょうか。
作業員の中に学生アルバイトがいると分かった途端、文句を言い出すようなお客さんも中にはいます。
しかし、作業員として働く学生アルバイトが仕事に対して無責任で、また仕事ができないかというと決してそんなことはありません。
正社員であっても経験や責任感、コミュニケーション能力がなければ作業員とは呼べないでしょう。
引越しは共同作業
何人もの作業員との共同作業が必要で、ワンマンでは成り立たないのが引越し作業です。
作業には必ず責任者やリーダーがいますが、そのようなポジションを経験豊富なアルバイトに任せる業者も少なくありません。
しかしながら、やはり引越し作業に伴う技術や知識を短期のアルバイト期間で習得するのは難しく、引越しの集中する時期や日柄での引越しでは、このような新人の作業員に当たることもあるでしょう。
しかし、どんな仕事に就くにせよ最初は誰でも新人ではないでしょうか。
新人がいきなり責任重大な仕事やポジションを任されるようなことは、もちろん引越し業界にもありません。
引越し作業は車両の乗車定員の関係で、2~3名のグループの組み合わせで行動するのが一般的です。
新人がいる場合にはベテラン作業員と新人の組み合わせといった形で、ベテラン作業員が新人を教育していくことになります。
繁忙期に増えるアルバイト
引越しには繁忙期といわれる3~4月にかけてと、土日祝日や大安など集中する時期や日柄というものがあります。
言い換えると引越し作業員が大量に必要な時期や日柄と、そうでない時期や日柄があるということです。
この引越しの集中する時期や日柄に足りる人材を常に確保しておくというのは、多くの業者にとって経営を圧迫することにつながります。
こういった理由から、自社の社員だけでは対応できない時期や日柄の引越しに、アルバイトを活用する業者は少なくありません。
引越し繁忙期の3~4月には、経験の浅い短期のアルバイト作業員にあたる可能性が高くなるということです。