引越し早々、新居で得体のしれない虫やゴキブリなんて見ちゃったら、お祝いムードも台無しになってしまいますよね。
旧居で一度でもヤツ(ゴキブリ)が出現していたのなら、引越し荷物にふ化する前の卵が隠れている可能性がありますよ。
引越しはゴキブリ、ダニといった害虫を駆除する絶好の機会でもあります。
引越し業者の中には荷物輸送時に殺虫剤を使った害虫駆除サービスを提供しているところがあるのをご存知ですか?
しかし、その効果のほどは・・・。
気になりますよね。
自分でバルサンかアースレッド焚いても同じじゃないの?
そのように考える方もいるはずです。
そのあたり、引越し作業員として働いてきた管理人が詳しく解説していきます。
引越し業者の害虫駆除サービスとは?
住まいの害虫駆除には不動産専門の害虫駆除業者があり、不動産管理会社の依頼を受けて入居前の物件を消毒するケースが一般的です。
引越し業者が行う害虫駆除は、家や部屋などの物件に対して行うものではなく、輸送中の家具や荷物に対して行われるものです。
つまり、家具類の隙間や裏側、冷蔵庫の内側などに住み着いた害虫を新居に持ち込まないことを目的としたサービスです。
入居前または退去後の住まいに対する害虫駆除サービスではありません。
害虫駆除は引っ越し荷物の輸送中に行われるため、専門業者を呼ぶ必要もなく害虫駆除のために時間を割く必要もないのがメリットです。
しかし、トラックの荷室内で殺虫剤を蒸散させる時間が必要なため、ある程度の輸送距離のある引越しでなければ利用できないこともあります。
害虫駆除ができる引越し業者
害虫駆除サービスを提供している引越し業者は多く、ホームページにオプション作業として記載がなくても、見積もり時に営業マンから提案されることもあります。
ただ、移動距離や荷物の量によって使用する薬剤の量が変わるため、費用は要見積もりとしている業者がほとんどです。
費用の計算方法としては、トラック1台あたりの料金設定とする業者が多いようです。
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サカイ引越センターの消毒・殺虫サービス
引越し専業大手のサカイでは、有料で家具類の消毒・殺虫サービスを提供しています。
輸送中のトラック荷室内で薬品を使い家具類、荷物を消毒殺虫するものです。
薬品の消毒殺虫効果を引き出すにはある程度の時間が必要なことから、移動距離の短い近距離引越しでは対応不可となっています。
消毒・殺虫サービスの費用はトラックの大きさ、台数によって変わりますので見積もりが必要です。
アリさんの害虫防除
引越し専業大手のアリさんマークの引越社では、有料で害虫防除サービスを提供しています。
密封したトラックの荷室内で、薬剤を使って家具、家財を消毒殺虫するものでサカイ引越センター等、多くの引っ越し業者で提供している害虫駆除サービスと同様です。
荷物の量、使用するトラックのサイズ、台数等で費用が変わるため、アリさんの害虫防除サービスは見積もりが必要となっています。
アート引越センターの走る殺虫サービス
昭和54年に引越し業界で初めて「走る殺虫サービス」として、害虫駆除サービスを開始したのがアート引越センターです。
2010年当時の走る殺虫サービス費用は、トラック1台あたり3,150円でした。
現在「走る殺虫サービス」は終了しており、代替サービスとしてカーペットや畳の下に敷くだけでダニ・ノミの駆除、発生を防ぐことができる「NON虫シート」が商品として提供されています。
害虫駆除費用の目安
引越し業者の害虫駆除サービスは、家具や家財をトラックの荷室内で消毒殺虫するものです。
そのため、家具や家財が多くなると使用する薬剤も増えることになり、その分費用もかかることになります。
また、わかりやすくトラック1台あたりの料金設定をしている業者もあります。
引越し業者が行う害虫駆除の費用は、業者が荷物の量を把握する必要があるため、営業マンが現地見積もりをするのが一般的です。
家や部屋などの害虫駆除専門業者の料金と、引越し業者の害虫駆除費用は一概には比較できませんが、害虫駆除専門業者の費用目安は以下の通りです。
害虫駆除専門業者の料金目安
- 2LDK程度まで:15,000円前後
- 3~4LDK程度:20,000~25,000円前後
- 5~6LDK程度:25,000~30,000円前後
消毒殺虫のしくみ
引越し業者が施工する害虫駆除は、密閉したトラックの荷室に殺虫剤を蒸散させて、家具や家財に住み着いたゴキブリなどの害虫を死滅させるものです。
一般家庭で馴染みのあるバルサン、アースレッドと同様です。
水と生石灰の化学反応熱を利用して、殺虫剤を蒸散助剤とともにトラックの荷室に充満させます。
殺虫剤がトラックの荷室、家具や家財の隅々にいきわたるには時間がかかるため、最低15~30分程度トラックの荷室を閉めたままにしておく必要があります。
そのため、輸送時間の短い近距離の引っ越しでは害虫駆除サービスが利用できないこともあります。
害虫駆除サービスの効果
ダニやノミなど小さな害虫は駆除できたかどうかわかりづらいものですが、引越し業者の害虫駆除はトラックの荷室でゴキブリなどの死骸を実際に見ることになります。
そのため、害虫駆除の効果をリアルに感じられるはずです。
ただし、ゴキブリの場合はかたい殻に覆われた卵の中までは殺虫成分が届かないため、新居に隠れたゴキブリの卵が持ち込まれる可能性はあります。
下の写真は冷蔵庫の底にある水受けですが、常にジメジメと湿っていて雑菌やゴキブリなどの格好の温床となりやすい場所です。
引越しをするとき以外に冷蔵庫の水受けの水を切る機会はないでしょう。
ぜひ、これを機会に定期的に冷蔵庫の水受けを掃除する習慣をつけてほしいと思います。
害虫駆除に一番効果的なのは、新たな害虫やその卵を増やさないよう、衛生面に気をつけることです。
消毒殺虫効果の持続期間
残念ながら、引越し業者の害虫駆除サービスには、数か月といった長い期間の消毒殺虫効果持続は期待できません。
トラックの荷室で消毒殺虫は行われますが、ゴキブリやダニ、ノミといった害虫の発生予防は、その後の環境が大きく左右します。
特にゴキブリの場合、卵が産みつけられてからふ化するまで2~3週間とタイムラグがあるため、ゴキブリのライフサイクルに合わせた対策が必要になります。
引越し後、2~3週間したらバルサンやアースレッドを焚いてやると、ひとまず旧居から持ち込んだ害虫は一掃できるかと思います。
害虫駆除サービスの注意点
引越し業者の施工する害虫駆除は、消毒殺虫効果のある薬剤をトラックの荷室内に充満させて、家具や荷物の中に潜む害虫を退治するものです。
そのため、家具や荷物など蒸散した薬剤が届く範囲すべてに薬剤が付着することになります。
害虫を駆除する効果を持つ薬剤は人間の体にも無害ではありません。
害虫駆除サービスを利用した場合には、薬剤を体内に取り込まないよう、調理の前に食器類や食品をよく洗うようにしましょう。
家庭用バルサンじゃダメ?
かつてアート引越センターが走る殺虫サービスという名で提供していた害虫駆除サービスは、アース製薬のアースレッドを移動中のトラックの荷室で使用するものでした。
そのあたりの開発秘話はアース製薬のホームページで読むことができます。
つまり、アート引越センターが害虫駆除サービスを始めた当時は、一般家庭で使われる害虫駆除剤を使用していたのです。
管理人が働いていた引越し会社には商品としての害虫駆除サービスはなかったのですが、お客さんから要望があると担当する作業員にその日の朝、「バルサン」が手渡されていました。
費用はトラック1台につき5,000円ほどだったと記憶しています。
すべての引越し会社が「バルサン」や「アースレッド」を使用しているのかはわかりませんが、同じような薬剤を使用しているものと思われます。
ならば、「バルサンかアースレッドを自前で用意すれば安上がりじゃない?」と思いますよね。
上述したように引越し会社にも市販品を使って害虫駆除をするところがありますので、ご自身で「バルサン」や「アースレッド」を使うのも全然ありです。
旧居で1回、家財を運び入れる前の新居で1回焚いておけば、引越し業者の害虫駆除サービスと同様の効果が得られるのではないかと思います。
まとめ
引越し業者の害虫駆除サービスは、輸送中のトラックの荷室内で家具や家財を消毒殺虫するものです。
費用は荷物の量やトラックの台数で決まるため、多くの業者では要見積もりのオプションサービスとなっています。
一般家庭用のバルサン、アースレッドといった害虫駆除剤でも同様の効果が得られると考えられます。
新居に旧居の害虫を持ち込まないことも大切ですが、転居後に害虫を増やさないよう衛生環境に気をつけることも大切です。
よい引越しを!
電話番号入力なしでOK!
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