引越しには電気、水道、ガスといったライフライン、郵便や学校、自動車などの転出、転入の手続きも必要です。
引越してしまってからでは手続きがややこしくなるものもあるので、早めに手続きしておくことが快適な新生活につながります。
引越しの手続きには引越し前後何日以内と期限が設けられているものが多く、またガスの開栓など本人もしくは代理人の立会いが必要な手続きもあります。
手続きに必要な本人確認書類
引越しに伴う市区町村役所での手続きには、窓口で本人であるかの確認をするために身分証明書の提示を求められます。
手続きによって必要な本人確認書類が違ったり、自治体によっても必要な本人確認書類が異なる場合があり、事前に市区町村役所のホームページなどで確認することをおすすめします。
本人確認書類には1点あればよいものと2点以上必要なものがあり、有効期限が過ぎているものについては本人確認書類として使うことができません。
1点で身分証明書となるもの
官公署が発行した顔写真付きで氏名と住所、もしくは氏名と生年月日が記載されているもの
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 運転免許証
- パスポート
- 写真付き住民基本台帳カード
- 国または地方公共団体の機関が発行した身分証明書
- 身体障害者手帳
- 在留カード又は、特別永住者証明書
- 運転経歴証明書
- 海技免状
- 小型船舶操縦免許証
- 電気工事士免状
- 宅地建物取引主任者証
- 教習資格認定証
- 船員手帳
- 戦傷病者手帳
- 療育手帳
2点で身分証明書となるもの
氏名と住所、もしくは氏名と生年月日が記載されているもの
- 国民健康保険、健康保険、船員保険、または介護保険の被保険者証
- 共済組合員証
- 国民年金手帳
- 国民年金、厚生年金保険、または、船員保険に係る年金証書
- 共済年金、または、恩給の証書
- 写真無し住民基本台帳カード
- 戸籍謄本等の交付証明書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書
- 学生証か、法人が発行した身分証明書で写真付きのもの
※国又は地方公共団体が発行した資格証明書のうち
写真付きのもの(1点でよいとされるものの書類を除く。)
注意ポイント
印鑑登録、パスポートの申請、個人番号カード(マイナンバーカード)を受領する場合など、「1点で身分証明書となるもの」以外、本人確認のための身分証明書として認められない場合があります。
市区町村役所でできる手続き
市区町村役所1ヶ所でできる手続きは多く、きちんと下調べをすれば転出入関係の手続は1回の訪問で済ませることができます。
やることの多い引越し前に、二度三度と同じ場所へ足を運ぶようなことにならないようにしたいものです。
訪問する際の持ち物
- 本人確認書類(個人番号カードか住基カードをお持ちの場合はそのどちらかでOK)
- 印鑑(認印可)
以下、お持ちの方
- 個人番号カード(マイナンバーカード)または住民基本台帳カード
(交付時に設定した4桁の暗証番号) - 印鑑登録証
- 国民健康保険者証
- 国民年金手帳
- 介護保険証
- 後期高齢者医療被保険者証
- 乳幼児医療証(マル乳医療証)
- 義務教育就学児医療証(マル子医療証)
- ひとり親家庭等医療証(マル親医療証)
- 在学証明書、教科書給与証明書(公立の小中学校に通学している場合)
- 外国人の方は外国人登録証明書(または在留カード、特別永住者証明書)
- 犬鑑札・狂犬病注射済票
提出する住民異動届は、窓口にあります。
Webサイトでダウンロード・プリントアウトして、事前に記入して持参できたり、ネットで事前申請できる自治体もあります。
窓口での滞在時間を短縮できるため、利用できるか自治体のWebサイトで確認してみてはいかがでしょうか。
印鑑について:
届出人の自署により押印が必要ない場合もありますが、ほかの手続きで必要な場合や、訂正印として必要になった場合に備えて持参しましょう。
犬鑑札・狂犬病注射済票について:
(犬を飼っている場合)
保健所窓口のほかに、役所内で登録事項の変更を受け付けているところもあります。転入先で確認してから出かけましょう。(転出時は不要です)
転出届
届出人:
(1)本人あるいは同一世帯員
(2)(1)以外の代理人が届け出る場合、委任状が必要です。
現住所の市区町村役所に住民異動届(転出)を提出して、転出証明書(※)を受け取ります。
転出証明書の発行はおおむね転出14日前から受け付けています。
手続きには顔写真が確認できるマイナンバーカード、運転免許証やパスポートなど、窓口に行く本人の確認書類と印鑑(認印可)が必要です。
(※)マイナンバーカードあるいは住民基本台帳カードをお持ちの方は、転出証明書の交付は省略されます。(発行されません)
(※)・マイナンバーカードの有効期限が切れている
・暗証番号(4桁)を忘れてしまった
・転出した日から14日以上過ぎている
いずれかに当てはまる場合、転出証明書の発行を受ける必要があります。(カードを利用しての転出手続き不可)
代理人が申請することもできますが、この場合には委任状が必要になります。
同一世帯の中で誰か一人がマイナンバーカードを持っていれば、世帯員全員が転出証明書の発行を受けない転出手続きが可能です。(手続きをする本人のカードじゃない場合も、同じ世帯であれば委任状は不要。暗証番号は必要です)
また転出届は郵送で提出することができ、用紙は市区町村役所のホームページからダウンロードすることができます。
電子申請に対応している自治体もあります。窓口訪問も書類の郵送も不要になるサービスです。
国が主導して全国一斉に開始したサービスではないためか、自治体によってシステムの利用に必要な条件など異なる場合があります。お住まいの自治体でご確認ください。
郵送や電子申請は窓口の混雑(密集)緩和にもつながります。
転入届
届出人:
(1)本人あるいは同一世帯員
(2)(1)以外の代理人が届け出る場合、委任状が必要です。
転居先の市区町村役所に住民異動届(転入)と、旧住所の市区町村役所で発行された転出証明書(※)を一緒に提出します。
(※)マイナンバーカードあるいは住民基本台帳カードを利用して転出届を届け出た場合、転出証明書は発行されていません。(無くても手続きが行えます)
転入届は転入後14日以内に手続きしなければなりません。
手続きには顔写真が確認できるマイナンバーカードや運転免許証やパスポートなど、窓口に行く本人の確認書類と印鑑(認印可)が必要です。
マイナンバーカードを利用した転出届を利用した場合、転入先でもマイナンバーカードと4桁の暗証番号が必要です。
代理人が申請することもできますが、この場合には委任状が必要になります。
窓口に行かなくても届け出ができる転出届と違い、転入届の手続きは市区町村役所の窓口のみとなります。
転居届
届出人:
(1)本人あるいは同一世帯員
(2)(1)以外の代理人が届け出る場合、委任状が必要です。
A区の1丁目からA区の2丁目に引越しした場合など、同一市区町村内の転居については転出届、転入届の提出は必要ありません。
転居後14日以内に市区町村役所に住民異動届(転居)を提出します。
手続きには顔写真が確認できるマイナンバーカードや運転免許証やパスポートなど、窓口に行く本人の確認書類と印鑑(認印可)が必要です。
代理人が申請することもできますが、この場合には委任状が必要になります。
転居届の手続きは市区町村役所の窓口のみとなります。
マイナンバー
転居先の市役所に住民異動届(転入届、あるいは転居届)を出すのに合わせて、マイナンバーカード(お持ちの方)を持参しましょう。
カードに新しい住所を記載してもらいます。
マイナンバーカードをお持ちの方は、カード交付時に登録した4桁の暗証番号を入力します。
住民異動届と同時の手続きであれば、書類の記入は必要ありません。
持って行くのを忘れてしまった場合、
転入届、または転居届を提出してから90日以内に
再度、窓口で記載事項変更届(ホームページでダウンロード、あるいは窓口でもらえます)を提出してください。
詳しくは、こちらのページでも確認できます。
マイナンバーの引越し手続き|住所変更、期限、忘れてた場合など
引越しや結婚などにより、住所、氏名に変更があった場合、マイナンバーカードをお持ちの場合 記載事項の変更 手続きが必要です。 変更があった日から14日以内※に市区町村へ届け出なければなりません。 引越し ...
一人ひとりにマイナンバーを知らせるために送付されていた「通知カード」は2020年5月25日に廃止されました。
廃止に伴い、通知カードの新規発行や再発行、記載事項の変更手続きなどができなくなったため、引越しの際に行う手続きもなくなりました。
現在は通知カードに変わり、「個人番号通知書」が送付されるようになっています。
「個人番号通知書」をお持ちの場合、引越しに伴って必要な手続きはありません。記載事項の変更に対応していないためです。
通知カードが廃止されてもマイナンバー制度は続いています。
通知カードをお持ちの方はこれまで通り大切に保管するか、マイナンバーカードの交付申請を行ってください。
印鑑登録
旧住所の市区町村役所へ印鑑登録証を返納し、転居先の市区町村役所で新たに印鑑を登録します。
転出届を提出する際に、お持ちの方は持参してください。
転出届を提出すると、予定日に自動で廃止される場合、転出の際の手続きは必要ありません。
現在お住まいの自治体の窓口にご確認ください。
転居先で新たに登録にするは本人の顔写真が確認できる運転免許証、マイナンバーカードやパスポート、登録印が必要です。
同一市区町村内の転居の場合には、転居届けを提出することで住民登録が変更されるため、印鑑登録証の返納、再登録の手続きは必要ありません。
国民健康保険
現住所の市区町村役所へ保険証を返納し、転居先の市区町村役所で新たに発行してもらいます。
そのため資格喪失期間が生じますが、その間かかった医療費については転居先で加入後に国民健康保険負担分を請求することができます。
転入後14日以内に手続きしなければなりません。
手続きには印鑑(認印可)が必要です。
同一市区町村内の引越しの場合には住所変更手続きのみ必要で、手続きには保険証と印鑑(認印可)が必要です。
職場の社会保険に加入している方の健康保険については、事業主が社会保険事務所に届け出る手続きになりますので、職場の総務などに住所変更を依頼することになります。
国民年金
転居先の市区町村役所で転入後14日以内に手続きしなければなりません。転出時の手続きは必要ありません。
手続きには印鑑(認印可)、年金手帳、領収書または払い込み済み期間を証明するものが必要です。
委任状持参で代理人が手続きをすることもできます。
口座引き落としを利用する場合、口座の通帳やキャッシュカードを持参すると、その場で手続きが完了できます。
国民年金受給者の場合には転居先の市区町村役所で住所変更届(はがき)をもらい、管轄の社会保険事務所へ郵送します。
学校
現在通っている学校から、在学証明書、転学生徒教科用図書給与証明書をもらい、転居先の市区町村役所に提出します。
就学通知書が発行され、指定された学校で手続きします。
私立校に関しては手続きに違いがあるので、 現在通っている学校に相談するのがいいでしょう。
電話の移転手続き
最寄のNTTに電話(116番)かインターネットで移設希望日を連絡します。
特に連絡期間は設けられていませんが、NTTでは引越しの2~3週間前をすすめています。
特に3~4月にかけての引越し繁忙期には電話の移設工事も込み合うので、引越し日が決まり次第連絡するのがいいでしょう。
電話番号が変わる場合、希望すれば新電話番号のアナウンスを3ヶ月程度無料で流してくれるサービスがあります。
ライフラインの移転手続き
電気、ガス、水道といったライフラインの移転手続きは、契約している会社によって手続きの方法が異なるため、ご利用の各会社に問い合わせることをお勧めします。
一般的な手続きについてご紹介します。
電気
お使いの電力会社へ電話、FAX、インターネットから利用停止希望日を連絡します。
サービス停止日に利用料の清算をすることもできます。
転居先での利用開始は電気温水器などがない限り、通常立会いは不要です。
ブレーカーを入れるだけで電気は使えるようになります。
電気がついたらブレーカーなどについている電気使用開始手続書(はがき)に、必要事項を記入してポストに投函します。
電気使用開始手続書がない場合には電話、FAX、インターネットでも手続きできます。
ガス
ガスの閉栓はオートロックのマンションなどでない限り、通常立会いは必要ありません。
閉栓と同時に利用料の清算をすることもできます。
ガスの開栓には燃焼器具点火確認の立会いが必要です。
都市ガスとプロパンでは使用できる器具に互換がないため、あらかじめ確認が必要です。
多くのガス会社は土日祝日にも開栓、閉栓作業に対応しているようです。
水道
市区町村の水道局営業所へ引越し日の3~4日前までに電話、FAX、インターネットで連絡します。
開栓、閉栓ともに立会いは必要ありません。
転居先での利用開始依頼も同様に引越し日の3~4日前までに電話、FAX、インターネットで連絡します。
転居先で水が出ないといった場合には、水道メーター横のバルブが開いているかの確認をするといいでしょう。
郵便の手続き
郵便局へ転出届を出すことで、一年間旧住所から転居先へ郵便物を転送してもらうことができます。
最寄の郵便局で手続きするか、所定事項を転居届用紙(窓口に提出するものと同じ)に記載して郵送するか、WEBサービス(e転居)から申請することもできます。
転出届を出さないと郵便物は転居先に転送されません。
転居先からでもできる手続きなので、忘れずに手続きしておきましょう。
自動車、バイク
自動車、バイク、運転免許証をお持ちの方は、引越しでやらなければいけない手続きが多く、また手続きをする場所もそれぞれ違います。
二度手間三度手間にならないよう、きちんと下調べをしてから適切な場所へ手続きに向かいましょう。
運転免許証
転居後早めに管轄の運転免許試験場、または警察署で手続きします。
免許証と新しい住所が確認できる書類(記載事項の変更をしたマイナンバーカードや、新しい住民票、保険証など)が必要です。
身分証明書持参で代理人による手続きもできます。
普通自動車
転居後15日以内に管轄の運輸支局・検査登録事務所で手続きします。
新しい住民票、自動車検査証(車検証)、印鑑(認印可)、自動車保管場所証明書が必要です。
都道府県が変わる場合には封印が必要なナンバープレートも変わるため、運輸支局・検査登録事務所へ車体を持ち込む必要があります。
軽自動車
転居後15日以内に管轄の軽自動車検査協会で手続きします。
新しい住民票、車検証、印鑑(認印可)が必要です。
都道府県が変わる場合にはナンバープレートも変わるため、自分で旧ナンバープレートをはずして持って行き、新ナンバープレートに付け替えます。
ナンバープレートの封印がないため、車体を持ち込む必要はありません。
原付(125cc以下)
旧住所の市区町村役所に廃車申告書を提出し、廃車申告受付書をもらいます。
ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑(認印可)が必要です。
転居後15日以内に市区町村役所で住所変更の手続きをして、新しい住民票とともに廃車申告受付書を提出すると、新しいナンバープレート、標識交付証明書が発行されます。
同一市区町村内の引越しの場合には、転居届けを提出すれば手続きは不要です。
バイク(126cc~250cc)
転居後15日以内に運輸支局・検査登録事務所で手続きします。
軽自動車届済証、印鑑(認印可)、住民票、自賠責保険証明書が必要です。
都道府県が変わる場合にはナンバープレートも変わるため、自分で旧ナンバープレートをはずして持って行き、新ナンバープレートに付け替えます。
ナンバープレートの封印がないため、車体を持ち込む必要はありません。
バイク(251cc~)
転居後15日以内に運輸支局・検査登録事務所で手続きします。
自動車検査証(車検証)、印鑑(認印可)、住民票、自賠責保険証明書が必要です。
都道府県が変わる場合にはナンバープレートも変わるため、自分で旧ナンバープレートをはずして持って行き、新ナンバープレートに付け替えます。ナンバープレートの封印がないため、車体を持ち込む必要はありません。
銀行・保険・クレジットカード
銀行の場合には引越し前に窓口かインターネットで住所変更の手続きをしておきます。
ゆうちょ銀行は、引越しをしてから(新しい住所の証明書類が必要)の手続きになります。
都市部から地方、地方から都市部への引越しなどでは、転居先で便利に使えそうな銀行口座を開いてもいいでしょう。
また、加入している保険会社やクレジットカード会社へも住所変更や口座変更を届け出ておかないと、通知義務違反で不利な扱いをされる場合があります。
パスポート
引越しで住所が変わった場合、住所はパスポートの記載事項ではないため届け出は必要ありません。
パスポート最終ページの「所持人記入欄」の住所を二重線で消し、新たな住所を記入することでそのまま使うことができます。
訂正の際は、訂正前の記載がわかるよう二重線で行います。
引越し手続きのまとめ
これだけは頭の片隅に入れておいてほしい、というものを書き出してみました。
- 市区町村役所関係の手続きは14日前から、または14日以内。
- 自動車、バイク関係の手続きは15日以内。
- 手続きには印鑑(認印)を忘れずに。
(2020年4月現在。一部期間が延長されています。転入先の自治体にご確認ください)
電話番号入力なしでOK!
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