コストパフォーマンス重視の利用者から安いと評判の引越し午後便(フリー便)。
自分の引越しも午後便にしようかしらと気になりますよね。
人気の午後便、その安さの秘密はどこにあるのでしょうか。
午前便と午後便の違い
引越しには朝一番から作業を開始する午前便、午前便を終えた車両が向かう午後便と呼ばれるものがあります。
朝からスタートしないと終わらないような大きな引越しの場合、業者からは必然的に午前便と指定されることになるでしょう。
反対に午後からでも終わるような小さな引越しの場合、午後便を利用するという選択肢があります。
午後便を利用することができれば、費用を午前便の半額程度にまで抑えられるケースもあるほどです。
午前便
午前便のスタート時間は9時からという業者が一般的です。
早いところだと8時前後、遅いところだと10時前後という業者もあります。
小さなお子さんがいる場合など、作業開始時間は必要に応じて調整できる業者が一般的です。
引越し当日の開始時間には、すべての荷造りが完了している必要があります。
朝食も早めに済ませておきましょう。
利用者の多くが暗くなる前に引越しを終わらせたいと考えることから、午前便は業者にとって最も利益が上がる料金設定になっています。
そのため営業マンも午前便での契約を取りたがる傾向にあります。
午前便のメリット
- 作業開始時間が決まっているうえ、夕方には荷ほどきも終わり、必要なものを買いに行ったりと夜はゆっくりできる。
- 作業員の疲労や集中力の低下から来る荷物事故や作業ミスが起きにくい。
午前便のデメリット
- 午後便と比較すると割高感がある。
- 午前便のほうが午後便よりも希望日を取りづらい。
午前便はこんな方におすすめ
- 小さなお子さんがいる場合など、明るいうちに引越し作業を確実に終わらせたい方。
- 夜は仲間内で引越し祝いをするなど、ゆっくり過ごしたいと考える方。
午後便(フリー便)
午後便は午前便を終えた車両が向かうことから、作業開始時間は業者の当日のスケジュール次第ということになります。
午前便がスムーズに終わればお昼前からスタート、午前便がキャンセルになり午後便がその代わりになんてことも稀にあります。
作業開始時間の指定ができないのが午後便です。
言い換えれば、業者が都合のよい時間にやってくるというのが午後便です。
引越し繁忙期の3~4月などは、日付が変わってから作業開始なんてことも実際にあるんです。
その代わり、「費用はお安くしますよ。」ということになるわけです。
フリー便のフリーはフリータイムの意味で使われており、利用者が好きな時間を選択できるという意味ではありません。
午後便のメリット
- 同じ条件の午前便と比較すると、費用が半額以下になることも。
- 午前中は時間が有効に使える。
午後便のデメリット
- 作業開始時間は業者の当日のスケジュール次第なので、とにかく時間が読めない。
- 荷物が多い大きな引越しでは利用できない。
午後便はこんな方におすすめ
- 夜になっても構わないという時間に融通が利く方。
- ひとり暮らしなど荷物が少ない方。
- 費用最重視でとにかく安い引越しを、と考える方
午後便(フリー便)安さのからくり
作業の開始時間を業者の当日のスケジュールに合わせる午後便を利用すると、ときに午前便の半額程度にまで費用が安くなるケースもあります。
同じ作業内容であっても午前便と午後便では、なぜ費用に大きな差があるのでしょうか。
実は午後便の安さの背景には、利用者にも業者にとっても都合の良いからくりがあるのです。
業者の売り上げ設定
1日であったり、店舗ごとであったり、1人あたりであったりと、多くの業種で売り上げ目標、売り上げ設定というものがあると思います。
引越し業も同じで、引越し車両1台あたりの売り上げ設定というものがあります。
例えば2トン車両であれば、作業員最低2名分の人件費などを含めた年間の経費を365日で割ったものが、引越し車両1台あたりの1日の売り上げ設定ということになります。
これが30万円に設定されている車両であれば、1日に30万円の引越しを1件やるか、10万円の引越しを3件やるかといった具合になります。
午前便で30万円以上の大きな引越しができれば、その車両はその日のノルマ達成ということになり、業者にとっては後が楽になります。
午前便が15万円程度の引越しであれば、7万円程度の午後便を2件やらないとノルマ達成とはなりません。
ゆえに業者としては費用の高い午前便がオイシイのです。
時間と費用の関係
時間のかかる大きな引越しでは、車両1台が1日にこなすことのできる引越し件数は少なくなります。
上述の売り上げ設定から、午前の引越し費用が高く設定される理由はここにあります。
つまり業者は時間のかかる午前便で、車両1台あたりの1日の売り上げ設定にできるだけ近づけようとします。
1件の午前便で1日の売り上げ設定を達成する車両もあるでしょう。
そうでない車両はその後の午後便で、数をこなすことで1日の売り上げ設定を達成するということになります。
引越し作業の現場で作業員がバタバタと走り回っているのを見かけたことはありませんか。
これはこの1日の売り上げ設定を達成するために数をこなす必要があるからです。
こういった理由から費用と時間は密接な関係にあり、車両の拘束時間の長い引越しは高く、拘束時間の短い引越しは安くなるともいえます。
単発では赤字の午後便も
車両1台あたりがその日の売り上げ設定を達成できればいいわけですから、引越し1件あたりの費用は業者にとってさして問題ではないのです。
業者としては1件あたりの拘束時間が短ければ、そのぶん多くの引越し件数をこなすことができます。
費用を下げてでも多くの件数をこなすことができれば、業者にとっては充分に利益を生み出すことができるわけです。
もしくは午前便で1日の売り上げ設定を達成した車両の場合、午後便の費用はいくらであっても収支はプラスになるのです。
例えば業者が午後便を無料で行ったとしても、極論ですが1日の売り上げ設定を達成した車両であれば利益は出るということになります。
ここに午後便の安さのからくりがあるのです。
つまり業者にとっては足の出る費用設定も、午後便には有り得るということです。
午後便のまとめ
午後便は、業者としても最大限に売り上げを確保することができるプランです。
また時間が読めないといったデメリットはありますが、午後便は利用者にとっても費用が節約できる魅力的なプランです。
しかし引越し繁忙期などのかきいれ時に、需要に供給が追いつかない状態になることがあります。
そのような時に真っ先に影響を受けるのが午後便で、作業が深夜に及ぶケースもあるほどです。
おそらく営業マンは「そんなに遅くはなりません。」や、「明るいうちにはお伺いします。」というようなことを言ってくるでしょう。
こういった言葉に過度の期待はしないほうが賢明です。
作業にあたる作業員にとっても、午後便は何件かの引越しを終えてからの作業になります。
作業開始時間の遅れに加え、疲労から来る作業ミスや荷物の破損リスクが増えることも事実です。
午後便を利用するにあたっては費用の安さだけにとらわれず、このようなリスクがあることも理解しておく必要があると言えます。
午前便にしても午後便にしても自分のイメージする引越しであるかどうか、それが一番大切なことではないでしょうか。
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以上、『安い引越し午後便(フリー便)費用のからくり|午前便との違い』を最後までお読みいただきありがとうございました。
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