当サイト「引越しのウラオモテ」には、時折引越し相談が舞い込んできます。
今回ご相談いただいたのは、ご夫婦と子供二人の4人家族の引っ越しで、新築マンションへの一斉入居です。
移動距離が5キロほどと短く、旧居の間取りが2LDKなので荷物の量もそんなに多くはない引っ越しになります。
ご相談者がもっとも懸念していたのは幹事会社を利用すべきかどうかで、新築マンションの一斉入居における幹事会社の役割なども解説していきます。
引越しの内容
ご相談者の予定している日程、住居の環境、引越し業者に希望する作業等は以下の通りです。
- 家族構成:大人2名、子供2名
- 日程:2月上旬日曜日
- 移動距離:神奈川県から都内へ約5km
- 間取り:2LDKから3LDKへ
- エレベーター:旧居、新居ともにあり
- エアコン作業:なし
- 洗濯機:取り付けのみ
- 現在持っている見積もり:67,800円(サカイ引越センター1社のみ)
相談内容
ご相談内容は以下の通りです。
- 2月上旬日曜日の引っ越し費用の相場
- 幹事会社を利用すべきか
- 見積もり依頼の時期
今後、アート引越センターと日通の訪問見積もりを予定しているそうで、幹事会社はアート引越センターということです。
ちなみにアーク引越センターには「一斉入居」という理由で断られたそうです。
また、アリさんマークの引越社には「見積もり依頼は2ヶ月前」からという理由で、現状訪問見積もりはできないといわれた模様。
以上の内容を踏まえて解説していきます。
2月上旬日曜日の引っ越し費用の相場
上の図は引越し大手3社アート、サカイ、アークの家族の近距離引越し費用年間推移表です。
表を見てみると、ご相談者の現在持っている見積もり67,800円は、ほぼ相場通りかと思われます。
もう少し掘り下げて解説すると、1~2月は引越し業界にとっては閑散期となり、一般の貨物輸送を行わない引越し専門業者は暇な時期となります。
管理人が勤めていた引越し会社でも、アルバイト作業員には年始の15日までは休んでもらうといった対応をしていました。
作業員にとってはそのあとやってくる3~4月の繁忙期に備えての休息期間のようなものですね。
大人2名、子供2名の2LDKの荷物量であれば、一般的な引っ越し業者が使用する3トントラックに積みきれる量かと思います。
3トントラックという車両サイズには馴染みがないかと思いますが、一般的には2トンロングと呼ばれる車両が該当します。
この2トンロングの基本料金は、ドライバー兼作業員1名込みで50,000~60,000円あたりが相場です。
この物量に対して作業員はトータル3名が適切かと思いますが、ドライバー兼作業員1名はトラックの基本料金に含まれますので、プラス2名分の作業員料金が必要になります。
引越し作業員1名当たりの基本料金は15,000円が目安です。
なので、今回の引っ越し費用は80,000~90,000円が基本価格になります。
この基本価格に対して通常期を100%とする閑散期の割引(30~40%)をしたものが、ご相談者の求める費用の相場となります。
およそ55,000円あたりが、2月上旬平日午前の引っ越し費用相場になりますが、日曜には2割の休日割増を設ける業者があります。
なので、55,000円の2割増しとなる66,000円前後であれば妥当な金額ということになります。
ご相談者が現在持っているサカイ引越センターの見積もり67,800円は、相場料金と言えるでしょう。
ただ、上記の計算は午前便を前提としたものなので、午後便を設定できる業者であれば、2~3割程度の値下げが期待できるはずです。
このあたり、当サイト「引越しのウラオモテ」の人気ツール、引越し料金計算機を使って試算できます。
幹事会社を利用すべきか
新築マンションの場合、完成後の入居可能開始日に合わせて一斉に引っ越しをするケースが圧倒的に多くなります。
業界用語でいうところの「一斉入居」と呼ばれるものです。
購入費用、もしくは賃貸であっても賃料が大きいため、支払いを少しでも無駄にしたくないという心理が働くためですね。
大規模な新築マンションになると、数百戸規模の引っ越しが入居可能開始時期に集中することになります。
この大規模な引越しを管理するために、不動産会社はノウハウや資材等を持つ専門家である引越し業者に業務を委託することになります。
不動産会社に「一斉入居」の管理を任された引越し業者を、「幹事会社」と呼ぶケースが多いです。
幹事会社に指定された引っ越し業者は、一斉入居のほとんどを受注することになるため費用は安くなる傾向にあります。
しかし、引越しに幹事会社を利用しなければならないという決まりはありません。
ただ、幹事会社は当然自社の引っ越し作業を最優先させることになり、他の業者は幹事会社が決めたスケジュール通りに作業しなければなりません。
多くの引っ越し業者は1日に複数の件数をこなす必要があるため、作業を待たされる等、自分たちの都合で仕事ができないことを嫌います。
なので、一斉入居の引っ越し費用は幹事会社以外を利用すると高くつくと思ったほうがいいです。
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見積もり依頼の時期
今回のご相談者はアリさんマークの引越社には「見積もり依頼は2ヶ月前」からということで、訪問見積もりを断られたということでした。
実は、見積もり依頼の可能時期をはっきりと提示している業者は見当たりません。
アート引越センター、サカイ引越センター、日本通運についてはホームページから抜粋、ご相談者が断られたというアリさんマークの引越社については電話で問い合わせてみました。
業者名 | 見積もりの受付 |
アート引越センター | 3ヶ月前ごろ |
サカイ引越センター | 約2~3ヶ月前 |
日本通運 | 早めは約2ヶ月前、遅めで約2週間前 |
アリさんマークの引越社 | 3ヶ月前(見積書の有効期限3ヶ月) |
引越し業者が見積もり依頼を断る理由としては、見積もり書の有効期限が関係しています。
見積書の有効期限を3ヶ月としている引越し業者がほとんどで、3ヶ月より前の依頼については見積書の再発行が必要になるためです。
訪問見積もりにかかる交通費等の経費は原則引越し業者負担なので、業者としても無駄な出費を抑えたいわけです。
また、直前の見積もりについても明確な期限を設けている業者はなく、トラックと人員に空きがあれば、当日見積もり当日引越しさえ可能なこともあります。
引越しの見積もりを取る時期はいつからいつまで?予約は何日前まで?
引越しは決まったものの、業者から見積もりを取るタイミングがわからないって方は多いんじゃないかと思います。 『まだ日にちがあるからとのんびりしていたら、希望する日程が取れなくなってしまった。』なんて話も ...
まとめ
神奈川県から都内へ距離5キロほど、家族4人の引っ越し費用は2月上旬で55,000円あたりが相場です。
日曜祝日は2割の休日割増を設ける業者もあります。
新築マンションの一斉入居であれば、幹事会社利用がスムーズな作業と費用の節約につながることを知っておきましょう。
引越し業者に見積もり依頼をする時期は、見積書の有効期限の関係で3ヶ月前からとする業者が多い傾向にあります。
良い引越しを!
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