持ち上げれば底が抜けるダンボール。
到底普通の人間の力では持ち上げることが不可能と思われるほど、物が詰め込まれた大きなダンボール。
「お客さん、あなたコレ持てますか?」
引越しの現場ではさすがに口にはしないものの、こんな感じでキレる寸前の作業員は少なくないはずです。
たしかに日々の作業で鍛えられているだけに、いわゆる世間一般の方々に比べたら引越し作業員は力持ちかもしれません。
しかし、スーパーマンじゃないんです。
普通の人が持てない物は引越し作業員だって持てないんです。
冷蔵庫やタンスなんかの家具はまた別の話。ちゃんと運び方も道具もあります。
引越しのダンボール
引越し作業員泣かせのひとつ、本。
ひと昔前はレコードもそうでしたが、読書が趣味のお父さんの家の引越しで、積み降ろしともに階段作業なんて現場はまさに引越し屋泣かせです。
その本を間違っても大きなダンボールに入れちゃいけません。
重量的に持てないというのもありますが、そもそもダンボールにはそんなに強度がないんです。
ダンボールには用途に合わせてサイズがあるんです。
ダンボールサイズと入れるもの
多くの引越し業者が用意するダンボールにはサイズがあって、それぞれ用途が印刷されている親切なものもあります。
私の働く会社のダンボールを例にとってみます。
S | 本、食器 |
M | 小物類 |
L | 衣類 |
白地の箱に赤い文字で、積み重ねたときに見やすいように箱の両側に印刷してあります。
なぜSが本、食器なのかにはちゃんと理由があるんです。
本、食器ひとつひとつが他のものにくらべて重いがゆえ、1箱あたりの重量を小さくするため。
そして強度との兼ね合いもあります。
Mに本、食器などの重いものを入れると、箱を持ち上げることはできても底が抜ける、箱がこわれるといったことにつながります。
Lに本、食器などを入れるなんてのは論外です。
箱詰めは隙間なくがコツ
また、重いものを下にという車両への積み込みの関係上、ダンボールは重ねて積む必要があることから、特に本、食器類のダンボールは隙間なく梱包するのがコツです。
本、食器類のダンボールはテープで閉じる前に上から押しても側面から押してもへこまないように、隙間には新聞紙などを入れて荷造りするのがおすすめです。
気をつけたいのが本、食器類を梱包する際の向きです。
ダンボールには積み重ね時に上からの重量がかかるので、本は基本的に寝かせて、食器類は立てて梱包するのが正解です。
横向きに寝かせてできた本の隙間には、縦に何冊かの本を差し込むなどしたうえで、隙間に新聞紙などを詰め込んで箱の中の本が輸送中に動かないようにします。
食器類も立ててできた隙間には新聞紙などを詰め込んで、輸送中に食器類が暴れないようにすることが破損を防ぐことにつながります。
食器類の梱包にはエアーマット、ミラーマットなんて高価なものを使わなくても、新聞紙で充分代用できます。
新聞紙は軽くもみほぐしてクッションのようにして使うのがコツです。
「大事な食器だから・・・。」と衣類やタオルでくるんだ食器類を、MやLなどひとまわり大きいダンボールに入れるのは良くありません。
そんなものが入っているとは思わないで荷扱いする作業員がほとんどだからです。
特に慎重に扱ってほしい荷物があるときは、たとえ作業員が忙しそうにしていても、呼び止めてお願いしておくのが間違いありません。
箱詰めは積み重ねを意識する
MやLなど大きめのダンボールには基本的に何を入れてもかまいませんが、基本的に重ねて積まれるという前提で梱包することが大切です。
また、自分で持ち運びができる重量、状態であるかを確認しておきたいところです。
ダンボール箱を組むときに、ガムテープを使わずに底を十字に編む方もいますがこれもいけません。
気の利いた作業員なら上下ひっくり返して補強したりするもしますが、そのままだとほぼ間違いなく作業のどこかで底が抜ける結果になります。
ダンボール箱を組む際は底をきっちり折ってガムテープ止めが基本です。
荷造りするとき大事なことは重いものは小さい箱に、軽いものは大きい箱にです。
荷造りの手順やコツについては、以下のページで詳しくご紹介しています。
引越し作業員が教える荷造りのコツ|いつから何からどの部屋からなど
荷造りのコツ教えますって上から目線でスイマセン。でもちゃんと引越し作業員が記事を書いてますからね。 引越しには転居の手続き、見積もり、業者選びなどやらなければいけないことが山ほどあります。 その中で手 ...
以上、『間違ってない?引越しダンボールのサイズと入れるべき荷物』を最後までお読みいただきありがとうございました。
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