体を使う仕事、きつい仕事は昔から給料が高いといわれています。
引越しもそのひとつで、運送業の中でもっとも過酷な重労働ともいわれるほどです。
その代わり給料が高いのも事実で、アルバイトには日払いをする引越し業者も多くあります。
多くの引越し業者では通年アルバイトを募集しており、引越し作業員として働くフリーター、学生アルバイトも多いです。
引越し作業員として働いてきた私の経験をもとに、引越しのアルバイトについてお話します。
引越しのアルバイト
私の働いていた会社は大手とまではいきませんが、関東では名の知られた引越し業者です。
正社員よりもアルバイト作業員の比率が高く、アルバイトだけで構成される作業グループというのも普通です。
アルバイトとはいってもほぼ毎日引越し作業をする常勤のベテランがほとんどで、仕事ができる、できないは正社員もアルバイトも関係ありません。
現場での経験の積み重ねがものを言う世界です。
未経験でも大丈夫
もしも引越しのアルバイトをしようかどうか迷っている方がいたら、全然心配しなくて大丈夫だと私は言います。
まったくの未経験でこの世界に飛び込んでも、先輩方がみっちり教育してくれます。
自分もまったくの未経験から引越しという世界に飛び込みました。
引越しのアルバイトに応募してきた未経験者に、いきなり「タンスを運べ。」、「冷蔵庫を持て。」というふうにはなりません。
やれと言われてもできないでしょう。
同じ現場の作業員として、仕事の仕方を知らない新人に家具を落としたり、引きずられたりしたら洒落になりません。
最初は横持ち
引越し屋さんのアルバイトで最初に与えられるポジションは横持ちです。
部屋とトラックの間をただひたすらに往復する係で、当然ダンボール箱や何かしらの荷物を持たされます。
荷物を置いて「ふう~。」と言っている暇はないでしょう。
引越し作業の基本は時間短縮。
荷物を置いたらダッシュで次の荷物を取りに行くのが引越し作業の基本です。
体がキツくて歩いてしまうこともあるかもしれません。
時に荒っぽい口調で先輩方に怒鳴られることがあっても、そこは仕事です。
むかつくことがあったとしても、「すいやせ~ん。」とがんばってほしいところです。
引越しは共同作業
新人アルバイトのデビューがエレベータ付きのマンションで、しかも台車が使えるような優しい現場であれば超ラッキーです。
初日が5階エレベーターなしなんて現場だと、次の日から来なくなってしまう新人アルバイトも珍しくありません。
バックレは当然クビということになります。
修業期間の横持ちをやっている間は、部屋の中でお客さんと談笑しながら作業を進めるベテラン作業員が楽をしているように見えるかもしれません。
また、トラックの荷台で積み込みをする作業員が楽をしているように見えるかもしれません。
しかし、横持ちがいなければ部屋の中の作業員はトラックまで行くことになります。
トラックで積み込みをしている作業員も部屋まで行くことになるでしょう。
横持ちあっての引越し作業、そして効率よく荷物を運び出したり、荷崩れしないよう車両に積み込むには経験が必要です。
普段あまり体を動かしていない入ったばかりの新人アルバイトが、気分を悪くして動けなくなってしまうこともあります。
無理をしろとまでは言いませんが、自分が楽をした分は誰かが苦労をすることになると覚えておいてほしいのです。
そう、引越しは作業員全員で成り立つ共同作業なんです。
休憩、お昼について
引越し作業中、入りたての新人アルバイトが自分から「休憩したい。」なんて言うのは許されない世界です。
時にはのどの渇きや「休みたい。」という自分の気持ちとの戦いになるかもしれません。
作業中の休憩やお昼といった作業員の行動については、作業グループのリーダーがすべての決定権を持っています。
バリバリ体育会系リーダーの作業グループにあたってしまうと、つらいアルバイトになってしまうかもしれません。
私の会社では昼食も午前便を終えてからの夕方になることが多く、休憩らしい休憩を取らないで1日を終えることも少なくありませんでした。
3~4月の引越し繁忙期には、とにかく件数が多すぎて作業が追いつかず、食事や休憩は移動するトラックの中で済ませるしかなかった記憶があります。
日払い可で高収入が魅力
アルバイトに日払いで給料を支払う引越し業者は多く、よほどの閑散期でなければすぐに働けるのが引越しアルバイトの魅力です。
また他のサービス業などと比べて、時給や日給が高いのも引越しアルバイトの魅力ではないでしょうか。
朝営業所を出発してから、作業を終えて営業所へ帰ってくるまでの時間にも手当てがつくところなどもあり、引越しのアルバイトで日給1万円以上を稼ぐことは珍しくありません。
女性でもできる?
男性引越し作業員に混じって遜色なく作業をする頼もしい女性引越し作業員もたくさんいます。
また、女性専用の引越しプランを提供しているアート引越センターやSGムービングなど、女性スタッフのみをアルバイトで募集しているところもあります。
女性には部屋の中での荷造り、荷ほどきといった女性ならではの細やかな心配りを生かす引越し作業もあります。
引越し作業員として支払われる給料に男性、女性の差はありません。
私の経験上、女性作業員をどのような現場に向かわせるかは配車担当が心配りをしているように感じました。
階段5階から階段5階への現場など、あまりにきつい現場で女性作業員が作業するようなことは少なかったと思います。
まとめ
現場によってはお客さんからお弁当代などといったご祝儀が出ることもあり、現場から現場への移動中はドライバー以外長い時間休めることもあります。
個人的には体育会系色の非常に濃い業種だと感じますが、達成感や協調性をこれほど感じられる仕事は他にはなかなかないと思っています。
若い方にはぜひ一度は体験していただきたいと思います。
よろしければ、引越し繁忙期の現実もご覧になってみませんか?
以上、『引越し作業員が語る引越し屋さんのアルバイトの現実』を最後までお読みいただきありがとうございました。
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